タイトルについて
書きこむ順序が逆になりましたが、はじめまして。タイトルについて分かりづらい人もいると思い少々解説を。
「いなか」とは当然今私の住んでいる「田舎」であり、同時に「井の中の蛙」の「井中」を無理やりかけてみました。田舎で百姓暮らしをしながら日々感じたことを独断と偏見により、まさに「井の中」から的尺度で吐露してみようと思っています。
大地に根を張って生きようとすると街で暮らしていたときには気付かなかった多くの事に目が向くようになりました。「環境」「食」「教育」「地域社会」などなど最近ではメディアを通じて多くの人の口に上るようにはなっていますが、そんなお題目ではない、もっと原理的な生き方の問題ではないかとも最近では感じるようになってきました。
現在の田舎とは都会の人間が憧れるような牧歌的なものでも美しいものでもなく、そこに住む人間の多くは都会人と同じ生活に憧れ追随しようとしているだけの場所が多くなっているのが事実です。
ただ、都会では失われ切った自然がまだ多少なりとも存在しているという点で、人間本来の生き方を考え直し、実践していける最後の砦であることもまた事実です。
「隣の芝は青い」という人間の根本的思考回路から鑑みると、私のページも都市部の人に多く読んでもらえることを期待し、そこから「田舎」「暮らし」といったものを再考する一つのきっかけになってもらえると幸いです。
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国土調査
地籍調査とも言う。
個人の所有する土地の境界を決めていく作業。
要は固定資産税を徴収するための土地面積をはっきりさせるために行う行政の仕事。
このたびは山林の調査。
本来は地権者が行うことだが、現在自分の山を把握している地権者は少なく、また街に出ていて面倒だからということで一任するという人が多いため推進員になっている地元の人が全てを調査しているのが現状。
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芽だし
催芽処理ともいう。
種籾を発芽させるためにお湯に浸けること。
通常30℃のお湯に24時間くらい浸けておくと芽が出始める。
最近では専ら催芽器というお湯の温度を一定に保ってくれる器材を使うが、昔は風呂の残り湯に浸けていた。今でも風呂の残り湯でも充分に芽だしはできる。
浸水
種籾を発芽させるために水に浸けこむこと。
通常10℃の水で約10日積算温度が100℃になるのが目安。
充分に水を吸わせることで発芽を促す。
酵母処理
種籾を殺菌する方法。
酵母菌を使って雑菌を食べ尽くしてもらう。
通常の種籾消毒は薬剤を使うが、有機農業というからにはそんなことは御法度。
他にも60℃のお湯に浸けて殺菌する温湯処理という方法もある。
春本番
今週に入って俄然忙しくなっている百姓です。今年は百姓仕事は当然の事ながらその
他のことでもかなり忙しい一年になりそうです。具体的に言えば国土調査が主なので
すが。
さて、昨日種籾を蒔きました。今年も去年と同様、苗箱でのプール育苗をしますので
写真でのような状態にもみを蒔きました。当然この上から土をかけて完成なのです
が、籾が見える状態で見てもらおうと思って途中で写真を撮りました。
私の場合一枚の苗箱に約60~70gの籾を蒔いています。これが多いのか少ないの
か分からないでしょうから参考までに一般的な機械植え用の苗では約180g蒔いて
います。と言うことで私の場合その半分以下。
なぜこんなに薄く蒔くかというと元気な苗を育てるため。厚く蒔くと当然ひょろひょ
ろの苗になりますが、なぜ多くの人が厚く蒔くかというと機械で植えるからです。
機械で植えると決まったピッチで苗をかきとるので苗同士の間があくと欠株というこ
とになります。少々欠株があっても米の収量にはたいした差は出ないのですが、どう
も皆さん「不細工だ」と言って嫌がるようです。
私の場合は田植えも広く薄く植えるので苗そのものが頑強であってもらわないと困り
ます。自然苗を育てることもそれを第一に考えて作戦を練るわけですから他の人たちとは真逆のやり方になるわけです。
先月の垂れ流しで「塩水選」をしたということを書いたと思いますが、あれから約半
月、今回の籾蒔きまで何をしていたか。
塩水選→酵母処理(殺菌)→浸水→芽だし→籾蒔き
大まかにいうとこういう流れでやってきました。
今年は天皇陛下の籾蒔きがニュースで流れたようですが、米作りといえば田植えと稲刈りしか知らされていなかった今までに比べると少しは報道も進歩したようです。
一般には全く認知されていませんが、「米は八十八回手をかける」と言われるように見えないところに沢山の苦労があるものです。
自分達の口にしているものがどうやってできているのか、少しでも興味を持ってもら
えると百姓は嬉しいです。
今週に入って急に暑くなり始めました。といっても都会と比べるとまだまだ寒さが
残っているのでしょうが…
こちら大朝では今梅が満開です。うちの境内にある梅の木をさくらとともにお届けし
ます。「桜」はまだ先のようですので「さくら」でご勘弁。
そうそう昨日早くも蛇が築地でひなたぼっこ。これも写真に収めたのですが、容量と
嫌悪感との都合上添付は控えさせてもらいます。
今日はこのへんで。
ではまた気の向いたときに…